長編小説

あの日の青空をもう一度

 王の剣が王都で暮らしていた頃から、10年後のあの日を迎えるまでの長編。

 第1章6話 第2章8話 第3章7話 全21話

 夢主の名前はシンディ。幼い頃からハンターとして家計を支えてきた。故郷を潰した帝国には恨みがある。 人に関心がない為、クールに見られかち。同じ部隊のメンバーとは仲良くやっており、面倒みも良い。




第1章

 せめて今手にあるものは、これ以上失いたくない。手に余るほどの幸せも、これ以上抱えたくない。

 だから新しく王の剣が増えたところで、自分には関係ないこと。

 そう、思っていたのだが……

 ユラと名乗った少年は白っぽいブロンドにグレーががった短い髪をペコリと下げた。

 ここ最近噂の新メンバーが、まさか自分の班に入るとは。この1年4人でやっていたのに、なんだってメンバーを補充する必要があるんだろう。嫌な真実に舌打ちしたくなる感情が湧き上がるが、表には一切出さずに、「宜しく」と薄っすら笑みまで貼り付けて挨拶する。

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第2章

 ドンっと地を揺らす爆発音が再び響いた。見えないと分かっていても視線を王都城へと向けて、そしてそれを見た。空を覆っていた魔法障壁が、バリバリとひび割れていくのを。

 ――魔法障壁が、破られた……!!?

 ガラスが割れるように砕ける魔法障壁は、光を反射させ輝きながら消えていく。唖然とその光景を見守りながら、唇を噛み締めた。たった2人の犯行ではない。一体どれだけの王の剣が裏切ったというのか?

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第3章

 王の剣が力を取り戻してからの2年余りは、『裏切り者』のレッテルはベッタリとその剣に張り付いていた。 なじられたり怒りをぶつけられたり、直接的な攻撃がなくても恨みの籠った視線を向けられる事も多かった。

 悪意を受けながらも王の剣は黙々と拠点を守り、資材の運搬の護衛をして、増えすぎる野獣の駆除もこなし敵と戦い続けた。 手に入れたメテオの欠片を積極的に地方に流す王の剣もいた事で、孤立していた避難民を助ける手立てに繋がった。 そうした王の剣の活躍はビブが作る雑誌により広く人々に知れ渡る事となり、裏切りの行為は消えなくても、徐々に見る目は変わっていった。

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